Yoin氏のOnlyOne のページです。今回は新作の3ピース・ブランクス『 TRAVERSE-ML²』でベイトロッドとしてハンドルから全体の調子とデザインをし製作しました。どの様なカスタムベイトロッドなのか…少しづつ見ていきたいと思います。

TRAVERSE-ML²をYoin専用機に…

Yoin氏専用とは言えブランクをデザインしたのは本人ですので製作する注意点はシンプルに「ブランク通りのバスアクションロッド」で、前作の同シリーズの初代TRAVERSE ではバッシンスピンとして製作しましたが、今回は諸々のセットアップのテーマが異なりましたのでバスアクションロッド(ベイトロッド)としてスタートしました。

3ピース『TRAVERSE-ML²』の全体画像です。初代のTRAVERSE依もやゞ短目のレンジで造りました。カラーも変えましたので違いは明確に成っています。

通常はブランクスルータイプのグリップを採用したスピニングロッドとして製作が出来る様に造っていますが、後づけのハンドルを固定式若しくは脱着式で合わせる事が出来ます。

TRAVERSE-ML²にアダプターを接着固定

今回活用する新しいタイプのアダプター

今回は普段とは違いYoin氏もお薦めしている新しいタイプの『 Turikoubou Custom Rod Joint 』を採用してのデザインと成りました。 このアダプターはスクリューを用いた脱着式パーツでハンドルとブレードのセンターが解り易くて、取り外しも簡単。そしてスクリューで締め込んでいくので大きな…本当に大きなノーチラス級バスと対峙する時も、外れる心配が全くない事から多くのバサーが活用する様に成ったパーツです。 小さなパーツであっても何時でもノーチラス級バスを狙う・釣る事が出来る安心感を得られます。

アダプターの接着も硬化が済み次の作業と言えば…ガイドのフット部分の調整です。 国内外の全てのガイドにフジ釣具では必ず行っている作業の1つです。こまめな調整はガイドに依ってロッドの調子とアクションを付けていくので極めて重要な作業なんですね。

作業途中にお邪魔して撮影。

バスアクションのガイドセッティングを1~3セクションのブレードに行っていきます。 Yoin氏のバスアクションロッドにはご本人も大満足のキャスティングガイド『 SilverFrame, GoldMetalRingGuide 』をセッティングしています。フレームは軽くリングがメタルなので擦れ等の摩擦や負荷に依る破損が殆ど発生しない特別なガイドです。

3つのセクションにセッティングを完了しました。何故Yoin氏が3ピースのブランクをデザインするのかと言うと、ブレードの中で最も負荷を受けながら曲がる部位を分断せずに、最良のロッドとしての役割を確実に果たす為に3ピース(3セクション)にしているんですね。それぞれのセクションに役割が有りますからブランクのテーパー・長さ・巻き方で3セクションの繋ぎ目位置が違うんです。

ガイドセッティングが完了すると次の作業はスレッドラッピングへと移ります。

ラッピング中を撮影

スレッドの種類は TRAVERSE で製作したバッシンスピンのデザインを元に本作にも同様に進めました。 Yoin氏が気に入っているカラーリングで2種類のロッドの仕様は異なるけれど、スレッドラッピング・カラーリングを統一した感じに成ります。

ガイド部・デカール・補強とスレッドラッピングを進めていきました。 スレッドの種類はメインをナイロンスレッドの#Grayカラーでラッピングし、トリムをメタリックスレッドの#Silverカラーをラッピングし落ち着いた色味でまとめています。

バスアクションロッドの完成

トップガイド・1番ガイド

3番ガイドまでを撮影

上の画像ではトップガイド以下1番ガイドから3番ガイドを撮影しています。Yoin氏が使用するバスアクションロッドは水面と水中で、あらゆるロッドワークを繰り出したルアーアクションを生み出していく様に造っています。ロッド全体の中から元部分を効かせるのか、中間部を活かすのか先端部を利用するのかで、全てのルアー(ハードもソフトルアーも…)の動きとデッドストップの仕方を完全に操作していきます。

2〜3セクションの繋ぎ目

TRAVERSE-ML²のセクション同士の繋ぎ目に使っているカーボンは永く愛用する為に長く使っています。全ての繋ぎロッドに言える事ですが、この繋ぎ目のカーボンは永く使えば使う程に減っていく部位ですので贅沢に使いました。

ラッピングが見え易い元ガイド

角度を変えて撮影

バスアクションロッドなので1番ガイドから元ガイドはダブルフット仕様です。確実に水中や水面での水の硬さから重みを感じ取れ易くしています。一本のバスアクションロッドが熟す役割には、ベイトロッドの特徴とスピニングロッドの一部の特徴を表すので、ガイドの種類に依り様々なテーマで製作する事が可能です。(ブランク自体の調子をベースとした製作に成ります)

コーティングをする時に必ず行うのは、ブランクとガイドフットの隙間をコーティング剤で埋めていく作業です。これは偶に見聞きするのですが…釣行中にガイドが取れたというアクシデント。近年のガイドはシングルフットが主流で大変小さい事が多く、上述のアクシデントに見舞われる様です。フジ釣具では全てのカスタムロッド製作で必ずガイドフットとブランクの隙間をなくす作業を行っています。

ノーチラス級バスを逃したくはありませんものね。

Yoin氏デザインのTRAVERSE-ML²用のデカール

カスタムロッドの証であるデカール部分にもスレッドラッピングをし、ロッド全体を引き締めています。このデカールから以下に続いて補強・ドレスラッピングへと進みます。

デカールからバット部分に掛けてこの様な造りに成ります。

毎回、各部位をクローズアップして掲載しておりましたので、今回は成るべく一続きで見られる様に撮影をしてみました。自作される方から「補強の次はデカール?」などのご質問が有りましたので、この場を借りてお応えしてみました。

デカールから以下の具合いが解りましたら次にクローズアップして見たいのは、ドレスラッピング部分とアダプターの箇所です。

ドレスラッピングはYoin氏が数年前に発表しました『タケヤライ』と云う新しいラッピングで、スレッドのマテリアルやカラーの組み合わせに依って様々な表情を魅せる手法です。ドレスラッピングは世界各国のロッドビルダー達が技を集約して新しいラッピングを次々と発表しており、スレッドアート以外のラッピングで多様なデザインをラッピングして…見て楽しむ事がカスタムロッドの面白さと思います。

ロッドを自作される方は是非ご自身オリジナルのドレスラッピングを考案してみて下さい。

Yoin氏が考案したドレスラッピングタケヤライ

さて、此処まできますとラストに近づいておりますが…前述に有りました『Turikoubou CustomRod Joint』を活用して、Yoin氏が自分用にハンドカービングした『All Wood SemiDoubleHandle 』を脱着式で製作しています。 自分用にコツコツとハンドカービングしていたそうで…長い期間を要して完成したハンドル。

近寄って撮影しました…見えますか?

Yoin氏専用のハンドルは少し変わった杢目で近寄って良ーく見ないと判らないレベル。手触りが良くてパーミングして時の吸い付く様な感触がたまりません。 この銘木は最後の1つを使った様で次はないとか…。結構な重さも有り完全に自分専用のハンドルだそうですよ。

ドッシリした重量感と感度、自由なロッドワークが特徴のYoinHandle

セットアップするリールは…

セットアップするリールは自由にその時にベストマッチな相棒に決めるそうですが、ルアーテストやロッドテストにラインテスト等々と幾種類ものテストが控えている事が多いYoin氏。TRAVERSE-ML²をバスアクションロッドで製作した事で自身の足りないと感じる部分をサポートしてくれるので助かるんだ…との事。

特別何かを狙ってなどではなく純粋にバスを釣る為のバスアクションロッドと云うテーマの元に、様々な仕様をリールに依ってその時の主軸を変えられる所が頼もしさを感じます。またリールに深く関係しているメインラインも、それぞれのリール毎に種類や直径・ポンド数と特徴をマッチングさせて使用しているので愉しそうです。メインラインと言えばリーダーも同様でハードタイプ・中間のタイプ・ソフトタイプと大きく分けて3種類が有るので、リーダーに依っても可成り大きな変更が出来るので、この辺りも随分と…まあ愉しそうで面白そうに西湖や河口湖などのフィールドへ赴いています。

此処からはYoin氏の相棒を載せさせて頂こうと思いますが、あれ?ホームページの記事で見たな…と云うリールばかりかと思います。基本的にフジ釣具に届くタックルはYoin氏も使いたくて(?)手配をしているので、基本的なタックルは皆さんと同じなんですね。

Yoin氏と共にフィールドを駆け巡る相棒達は個性豊かなモデルが多く安定したリーリングとブレーキシステムが特徴。

フィールドで行う目的や様々な個性を持ったバスとの出逢いを共にしています。

それぞれ個性的な構造であったり機能だったりと、フィールドや狙い方でセットアップする相棒を変えてバスフィッシングを愉しんでいるYoin氏、この他にもクラシックリールであったり…釣りに行こうと思った!瞬間からバスフィッシングは始まっているとYoin氏。遊びを創造していく過程でアレ…こんなアイテムが有ったらなぁ~と活動をしているので、共にする様々なタックル…道具たちに役割を与え新しい" 何か "を発見し形にしているYoin氏です。

此処までYoin氏のバスアクションロッド製作やリールの事柄を簡単に書いてみましたが、何か参考に成る部分が少しでも有れば幸いです。