依頼者がお二人
先日、カスタムロッドが完成し、無事に引き渡しが完了したばかりのBROWNING&SHAKESPEAR CASTING ROD。
今回は依頼者がお二人と云う事でそれぞれの想いが形に成った素敵な一本です。
親子ほどの歳の差のお二人は年齢を超えた釣り仲間。
此れから体現するであろうフィールドでの出来事を共有していく事に私達もドキドキ*ワクワクしています。
今回のOnlyOneカスタムロッドのご依頼は、先にも有りますが" BROWNINGサイラフレックス"と云う昔の2PC,グラス製ブランクと、昔の" SHAKESPEAR ハンドルフレーム "にYoinハンドカービングウッドセミダブル製作した特別な仕様のハンドルで製作する事と成りました。
現在のグラスファイバー製のブランクと違い、当時の技術としては最高のブランクと思います。樹脂の比率が低く繊維を惜しみなく使用し、且つ2PC,の弱点を排除した素晴らしいブランクです。現代のそれとは感覚が違っていてグラスと云う素材を知るのに適しています。
この何年も前のブランクで現代のフィールドを駆け巡りますよ。
人と同じである必要はない。
今回、ロッドのスレッドとスレッドカラーを決めたのは、フレッシュな10代の杉内君です。
初めて眼にするブランクやガイド等たぶん戸惑ったと思いますが、呑み込みが速くスレッドとスレッドカラーに没頭していました。今回のカスタムロッドのご依頼を進めた、金子さんは杉内君に的確なアドバイスを一言二言のみ。
金子さんの「人と違っていいんだよ。」これは素敵な言葉だなと思いました。
それでは金子さんと杉内君のカスタムロッドを見てみましょう。
一本のブランクにセッティングしたガイドのスレッドカラーが2色登場しています。
スレッドの発色を考えスレッドのマテリアルも変えてカラーデザインを行なっています。
ガイド部分のスレッドを交互に色を変えて、元ガイドまでラッピングする事を考えたんですね。
メインをナイロンスレッドの#ワインレッド。
メインがポリエステルスレッドの#ダークネイビーです。
両スレッドのトリムはトリマースレッドの#ホワイト/ゴールドに決定し、トリマースレッドのラッピング回数も決まりました。
トリマースレッドと言うのはNCPスレッドとメタリックスレッドを撚って合わせた種類に成り太さは "C" です。
ロッド全体の良いアクセントに成っています。
所で、2pc,と云ったが継ぎ目のスレッドはどうしたの?と思うところですが良く考えられてまして。
こちらもガイドからの続きを切らない様にとスレッドカラーを変えて決めました。
BROWNINGサイラフレックスと言えば独特な繋ぎ目が特徴ですが、此の手法はキャスティングやターゲットとのやり取り等で繋いでいる感覚を払拭ふる作用が有る技法に成ります。
此の部位にスレッドラッピングを施していきます。
ティップからスタートしてスレッドカラーを交互にラッピングをしているので、かの部位にも同様に交互にスレッドカラーを変えてラッピングを行ないました。
ブローニング サイラフレックスは専用のデカールが付属されているんですね。
デカールのフォントカラーが#イエローとお洒落なカラー。
其のカラーをサイドトリムをポリエステルスレッドの#ダークネイビーとトリマースレッドでアクセントをつけています。
因みにWoodyLandOnlyOneカスタムロッドの証として" WoodyLand "と入れています。
次に進んでいくと…一様に皆が『毎回悩ましい!』と仰る飾り巻き部分に成りますが、此方も杉内君のセンスがキラリと光ります。
杉内君は確か15~16だったと思うのですが、カラーセレクトされるそれぞれのカラーは落ち着きが有り、フィールドで…自宅で愛でて楽しめるスレッドカラーセレクトを愉しんでいます。
矢張り、ビンテージのブローニングのグラスファイバーブランクには、ダイヤモンドラッピングの手法が馴染んでいますよね。
ブローニングのブランクカラーを活かしてメリハリのスレッドマテリアルとカラーで遊び心を表現しています。
スレッドのマテリアルとカラーを見ていくと、外側からトリマースレッド #ホワイト/ゴールド⇒ポリエステルスレッド #ダークネイビー⇒メタリックスレッド #シルバー⇒ナイロンスレッド #ワインレッド の順にラッピングしています。
さて、ちょっとスレッドの方にばかり注目しておりましてが、次に見ていきますのはロッドの調子を生み出すパーツとして重要なガイドなどです。
選定されましたのは、グラスファイバー製ブランクにバス用アクションの調子を出す事が出来る、希少なバーマックショックリング・ワイヤーフレームガイドです。
ワイヤーフレームのガイドの最大の特徴である抵抗が少ないところを利用して、ドッシリとしたグラスファイバーロッドに少し軽やかさをプラスさせます。
実際に執筆している私のカスタムロッド・デリンジャーにセイモガイドをセッティングしていますが、色々な角度からのキャスティングを可能にしてくれてスナップキャストした時の重みが抜ける軽やかさはワイヤーフレームならではかと思います。
昔のグラスファイバーブランクなので、現在の考え方で現在のガイドをセッティングしてもブランク自体が曲がらず調子を出す事もままならない場合もありますから、年代的にも近いガイドが合って良かったです。10代の杉内君にしてみれば可成りドッシリとしたロッドかな?とも思いますが、巡り合わせと言いますかお若い方が、自分依りも年上のタックルをデザインすると言う事は、何か特別なモノを感じますね…。
さてさて、次に見ていきますのは此方も非常に希少なハンドルSHAKESPEAR Frame&WoodGripを少し見ていこうと思います。シェイクスピアのキャスティングハンドルフレームは当時としては稀な素材アルミニウム製です。当時の米国では頑丈さを体現してきた彼らが行動性に着目した事を意味しているのでは?とちょっと思いました。
Yoin氏は此の特別で希少なハンドルフレームを大事に保存をし、銘木を用いてハンドカービングしたウッドグリップで一つの成熟したハンドルを仕上げました。
特徴的なのは、両手撃ちと片手撃ちが出来るモデルであるところで、利き手が左・右と関係なく楽しめる様にYoinがデザインしハンドカービングしています。
自由な持ち方を可能にしているにで、色々なキャスト方法を行う事ができるので、グリップの特殊な形状が無理なくロッドなりの曲がりを活かし、想定しているプラグ以外のプラグをキャストとロッドワークを容易にしています。
フィールドで良さそうなポイントへハードプラグ・ソフトルアー・ワーム・ブレードベイト・プレートベイト等々を、水面からボトムまでバスが泳ぎ回る水域全域で楽しめるのはワクワクしてきますよね。
そして、矢張り米国生まれのブローニングサイラフレックスなので、ラージマウスバスやパイク・ウオールアイ等を相手にしているだけあって、或る程度のビッグプラグも使えますから、装備するベイトリールもAbu5000クラス・4600C・2500C、ヘプタ、IR-130C等々と色々なクラスのブレーキシステムの異なるベイトリールも同時に楽しめて遊べる一本として完成しました。