ご依頼のオーダーメイドロッドの引き渡しが完了したOgawaさんのカスタムロッド。移動距離や移動時間も気にせず、目指すターゲットとの出会いを求めてフィールドを楽しんでいる 方です。今回は其のお手伝いが出来てとても嬉しく思い綴ってみました。

フィールドの状況が常に変わるから…

 Ogawaさんは本流を中心に活動するトラウトフィッシャーマン。
川辺の風景を楽しみ、魚や水流の変化に敏感で自然界の厳しさもよくご存知です。
常に状況が変わり易いフィールド、特に雨に依る川への影響や川を伝って吹く強風にも耐えながら、魚との巡り会いも楽しまれています。今回、ご依頼されたのも決して優しくはないフィールドに対応する為のロッドと云う事で、マテリアルの選定からロッドの調子と長さ、組み合わせるパーツ等、そしてセットアップするハンドル等をデザインされました。とても素敵な『Only One Rod 』を是非、皆さんと共有が出来たら…と思います

善き相棒を…

 川の流れ…強弱が有り、又、水中の状況もそれぞれのフィールドで違いが有るそうです。大きなターゲットがヒットするとヒヤヒヤしながら寄せているとの事。
それらを考慮して選定したのはオリジナル・ブランクRPG 7。このブランクは川で使える様にと、特別に巻いたブランクで、One & Half 仕様なんですよ。今回は此のハーフの部分は使用せずキャスティングハンドルをセットアップします。では、少しづつ見ていきましょう。

RPG 7ブランクのブレード部分のOneを使用していきます。(ブランクOneの総全長は165cmと成ります。)Ogawaさんがデザインされた完成イメージは脱着式可能なハンドルをセットアップしていく事。
完成後の総全長は6'7"(ハンドル含む)と成ります。

RPG-7のスペックはルアーウエイトの対応基準値が広い事が判るかと思います。愉しむルアーの種類が豊富で有る事に加え、個々のルアーサイズからウエイトも多種多様なので本流域で愉しむのにジャストフィットしますね。

スレッドを決めていく

RPG-7にラッピングするスレッドのカラーは幾つかの配色候補をOgawaさんが見立て其の中から決めていきました。スレッドマテリアル(素材の事です)は[スレッド見本]から決めていき、実際に巻いたものを見ながらメインとトリムの組合せと巻き回数を決定しました。

ガイドはトルザイトを使用しました。
ブランク先端部は一本足に成り軽量さを重視した仕様です。※一本足ガイドを使用して自作される時は足の部分が小さいのでコーティングはシッカリ塗る事をお勧めしています。釣り場で使用中にガイドが抜けた等のトラブルの元に成り得ます。

スレッドマテリアルはメタリックスレッドで統一をしました。トリム部分は4色を巻きました。(画像がボヤけていたら御免なさい)

面積の多いメインを#ネイビーに決め、トリムを4色のスレッドを用いてOgawaさんらしさを表現しています。トリムは#ガンメタル#ゴールド#ガンメタル#ネイビーの順番でラッピングしています。

此処で判るのはトリム部分を4色使っていてもゴタゴタ感が無くスッキリした印象を与えている所かと思います。それぞれのカラーを何回巻きにするのか‥を工夫して決めていきます。

OnlyOneカスタムロッドの証明であるデカールはOgawaさんがデザインし製作。本職がデザイナーだけあってデザインが素敵です。Yoin 氏に伺うと、このスペースで表現するのは大変な事なのだそうです。

バット部分【ダイヤモンドラップ】にて装飾しました。
使用したスレッドマテリアルはメタリックスレッドで全部で3色を使いました。

端から中央への順です。(画像がボヤけていたら御免なさい)カラーは#ネイビー#ガンメタル#ゴールド#ガンメタル#ネイビーの順番でラッピングしています。用いるカラーも統一する事でオリジナリティーと落着き感が出て素敵です。

此処まできますとRPG-7のブレード部分の完成と成ります。

メタリックスレッドのギラギラ感が無く、落ち着いた色合いでまとめたOnlyOne,OgawaRPG-7と成りました。程好くネイビーを引き立たせているのが、メタリックのゴールドやガンメタルカラーでブランクのカラーとの相性も増して落ち着きの中に減り張りを出しています。

専用ハンドルをカスタマイズ

セットアップするハンドルは脱着式のチャンピオン型ハンドルです。ノーマルサイズがシングルハンドルの為、ブレードとのバランスが保てない為に此方のハンドルをカスタマイズしていきます。ブレード製作ではRPG-7のバット径に合せた専用のフェルールを接着固定しております。

本流域のトラウト専用ロッドとしてRPG-7でオリジナルカスタムロッドをご依頼されたOgawaさん。ハンドルのコルクグリップがブレード部分との相性が良く何本かの調子の違うブレードを組み合わせる事が出来そうだと楽しみにされています。

本流域のトラウト専用ロッドとしてRPG-7でオリジナルカスタムロッドをご依頼されたOgawaさん。ハンドルのコルクグリップがブレード部分との相性が良く何本かの調子の違うブレードを組み合わせる事が出来そうだと楽しみにされています。

ノーマルからカスタマイズするデザインもサイズをシングルからセミダブルハンドルへ変え、扱い易いグリップデザインをとの事でした。

グリップを延長し付属していたバットキャップを利用して自然なカーブをコルクで整形してみました。ほんの少し長さを変えるだけでキャスティングとロッドワークに変化がつきます。


ブレードの長さとハンドルの長さは深い関係性があり、組ハンドルを長くするのか短くするのか…ロッドの操作性やフィールドの環境に依って変えられると自由度が高く成ると思います。自作などをされる時には先ずはフィールドでどの様な動作を自分がしているのか等々を再確認しておくと新しい発想がモリモリと出てくると思いますよ。

OgawaさんのデザインされたRPG-7は自由度を高くフィールドで持ち味を発揮できる本流トラウトフィッシング専用ロッドとして誕生しました。