芦の湖を中心に各地域のフィールドでチャレンジしているFunatsu君のOnlyOneページ。今回のご依頼はボート釣りや岸釣りの相棒として愛用しているロッドの兄弟機製作です。
TRAVERSE
WoodyLandのYoin氏の本格的な3ピースTRAVERSEを発表して以来、様々な仕様のカスタムロッドTRAVERSEとして製作してきました。今回、Funatsu君のご依頼であるオリジナル・カスタムロッド製作をする事と成りました。
TRAVERSEは機動力は勿論の事、ブランクの最も重要な部位を切断せずにワンピースロッドと同等の調子と操作性を実現する為に誕生しました。
YoinのTRAVERSEイメージボードでは、正に横断的な考えのもと依頼者のアイディアを形にする事が出来るブランクを表しています。
Yoinのイラストにもある様に多様性を感じさせる仕立てのアイディアは、多くのフィッシャーマンを魅了しています。
TRAVERSE(トラバース)の出発点は大物も仕留められるバッシンスピン構想で、軽やかなアクションを実現しつつパワフルで粘り強さをブランク手巻き職人さんに手作業で製作して頂いたスペシャルブランクなんです。
バッシンスピンを出発点として巻いたトラバースはベイトキャスティングロッド製作で大人気に……。
感度を出した製作に依りメインロッドとして活用するフィッシャーマンが続出。3ピースのイメージを完全に払拭したモデルの一つです。
Funatsu君のご依頼はトラバースのスピニングロッド製作と言う事で、ラージマウス・スモールマウスバスからイワナ・ブラウントラウト・レインボートラウト等々を仕留められる仕様です。ブルーバックレインボーも仕留められたら素敵ですね♬
セットアップするスピニングリールの番手も気にせずに、お手持ちの色々なサイズのカスタムリールで楽しめる楽しくてドキドキワクワクするFunatsu君専用トラバースを製作していきます。
製作スタート
新年を新しいカスタムロッドで迎えられる様にと製作をスタートさせたFunatsu君のトラバース。
1本の世界で唯一のFunatsuModelを完成させる様々なパーツを組み上げる前に下準備を進めていきますよ。
■選定されたロッドビルドパーツ
トラバースにセッティングしていくのは富士工業のスピニングロッド用ガイド『チタンS.I.Cミディアムライト』に決定と成りました。
3セクションに調子を出す為にセッティングを行ないます。
此方のパーツは海外から取り寄せた新製品のフックキーパーです。
大きなサイズから小さいサイズの様々な種類のフックをキープする事が出来るバスフィッシング向きの専用フックキーパーです。
グリップの総合的なデザインはFunatsu君のお気に入りのスタイルで決まりました。
画像はフロントグリップ用で、少し太めをセレクトしました。
デザインに合せて決定した長さにカットしていきます。
リアグリップには海外から取り寄せた、特殊なハイブリッドモデルを選択。
→弾力が有るEVAと天然素材の風合いのコルクを融合した特別なグリップで、長く使い込んでも痩せていく心配がありません。
Funatsu君の使い易い長さに此方もカットしていき専用グリップを製作していきますよ。
グリップの総合的なデザインでは総全長を決めてから、個々のパーツ選定と必要なサイズを決めています。
ワインディングチェックはローレットデザインでリールシートはウッドシートとメタルパーツで造られた海外で人気のモデルをセレクトしました。
グリップ自体はトラバース(ブレード)に接着固定する方式をとり、別体式のグリップを製作しました。
ブランクスルーの様でいて実は個別製作仕様と云う感度と依頼者の希望する長さを両立しました。
総体的にグリップ部分は総全長を少し伸ばして感度を出していき、それぞれのパーツを仕上げてブランクに組み付けて接着固定を行ないます。
■組み付け作業をスタート
先程のグリップ部分の計測や切り出しなどの作業の合間に、1セクションのトップガイドを接着固定しています。製作作業ではブレードとグリップは個別と成るので、ガイドセッティングもグリップの作業内容に依って開始していきます。
各セクションにガイドセッティングを行った状態を撮影。
WoodyLandの3ピースブランクはロッドの最も重要な部位を寸断せずに1ピースロッドと同じ調子・使用感が出る拘りのブランクです。
ガイドとデカール・補強の仮留めを行っていますよ。
ラッピングするスレッドは2種類のマテリアルに決定です。
メインをポリエステルスレッドの#ダークブルー/中央部にはメタリックの#ゴールド/トリムにはメタリックの#レッドとオリジナル性に富んだ配置で決定です。
グデブロッドのバット専用スレッドをドレスラッピング部分に取り入れました。平坦なブレイデッドスレッドは、バット部分の印象を力強いイメージへ変えてくれます。
先程のメタリックスレッドの#ゴールドと合せてラッピングしていきます。
今回のロッド製作での工程表を拝見したところ…ザッと20項目近くにのぼりました。丁寧な作業を進めていく為、工程数は細分化されスムーズに進めるため様々な作業で仕立てられていくんですね。此処まで見てきたロッドビルドパーツを列挙してみようかと思います。
- TRAVERSE(3ピースブランク)
- チタンミディアムライトガイドT-KLSG25H81
- フォアコルクグリップ
- ハイブリッドグリップ
- グデブロッドバットワインド
- Turikoubouローレットワインディングチェック9mm
- TurikoubouリールシートV-1
- Turikoubouフックキーパー
- バットプレート22mm
- カーボングラファイトシャフト100mm
以上のパーツでロッドが構成され造られています。それぞれの独立したパーツをカスタマイズしながら製作していくのも愉しい時間ですね。
FunatsuColorTRAVERSE!
グリップ製作を進め…ブレードにガイドセッティングを行い、ガイド部→デカール→補強→バット部分の各部位のスレッドラッピングも完了し、最終的な仕上げのコーティングまでを終えました。
此れから皆さんと見ていくのはコーティング後の各部位と成ります。
ご依頼者のFunatsu君がカラーリングとグリップのデザインを行ったOnlyOneカスタムロッドTRAVERSEを見ていこうと思います。
3ピースの1セクションにはトップガイド以下各サイズのガイドがセッティングされています。統一されたラッピングは、細いティップから各部位まで行なっています。
ティップをクローズアップすると…メインスレッド・ポリエステルスレッドの中央部にメタリックスレッドがラッピングされていますね。
トリムではメタリックスレッドを2色を活用してコントラストを付けています。
1セクションと2セクションとを繋ぐ部位は印籠継ぎです。
それぞれ繋ぐ部位は可成りの負荷が掛かる部位であり、パックロッドの要と成りますからラッピングもしっかり行ないます。
ガイド部などのスレッドカラー配色は、Funatsu君のOnlyOneカスタムロッドカラーとして定着したカラーリングです。
此の様にご依頼者がスレッドカラーの組み合わせをデザインし、其れを自身のカスタムロッドカラーとして考案していくのも面白いと思います。
メインスレッドはドイツ製のポリエステルスレッドでカラーは#ダークブルー。
刺し色として中央部にメタリックスレッドの#ゴールドを入れ、トリムをメタリックの#ゴールド→#レッドのカラーリングに。
此の組み合わせはフィールドでヤル気に成るそうですよ!
さて、順々に見ていきますと、次は2セクションから3セクションの繋ぎ目です。此方も前述の繋ぎ目と同様にラッピングをしていますよ。
繋ぎ目のラッピングでは時折のご質問を頂くのですが、先ず注意して頂きたいのは印籠継ぎの場合、カーボンシャフトを短くしては成らないと云う点です。時々…短く切っていると云う方をお見受けしますが永く愛用されるのでしたら切らずにそのままを活かして下さい…。直ぐに破損します。
此の部位もガイド部とゞカラーリングでスレッドラッピングを行なっています。
中央部とトリムのラッピング回数ですが、共に4回ラッピングをしています。トリムに至っては通常は3回程度なのですがアクセントを付ける為少し多めの回数でデザインしています。
因みに、マサやんが非常に良く質問をされている「コーティング回数は何回ですか?」と云う内容で、マサやんは全て(どんな種類のロッドでも…)一回のコーティングを行なっています。
さて、OnlyOneカスタムロッドの終盤として3セクションを見えいきますが、Funatsu君らしさ全開の素晴らしいデザインで製作しましたよ。
繋ぎ目から以下に続くのはOnlyOneカスタムロッドを証明するYoin手製の専用デカール→ロッドの要である補強→ドレスラッピングと成ります。
フレンチグリーンに眼に入るスッキリしたデカールには、Funatsu君のやる気に成るカラーでラッピングしています。
次に補強で此方もカラーとラッピング方法はガイド部分と統一しています。
お次はドレスラッピングです。
ダイヤモンドラッピングはグデブロッドのバットスレッドを用いて、トリムをガイド部分と統一しましたよ。
フックキーパーもしっかり装備し、ローレットデザインのワインディングチェックでピシッとデザインを引き締めています。
此方からはFunatsu君が考えましたグリップと成ります。
全体的にシンプルなデザインです。
フィールドで様々なロッドワーク等を行なう為、自身が最も操作が容易なグリップの長さとデザインで仕上げています。
セットアップするリールも近代モデルからビンテージモデルと様々で楽しみ方も特別です。
Funatsu君は天然素材が持つ風合いも同時に楽しみます。
リールシートは天然木とメタルパーツで造られ、ノーチラスバスやスーパーレインボーと対峙可能な、ダブルロック仕様。
シックなグリップ製作を可能にするモデルです。
ウッドスピニングリールシートは、握った際のロッドポジションを容易にする為に、なだらかなデザインで製作されています。
グリップエンドもFunatsu君がデザインしました。
EVA とコルクで造られたハイブリッドで、此方もグリップ性を良くする為に、ストレートではなくなだらか な形状で仕上げられ、コルク特有の痩せ細る事が無く、長く愛用する事を可能としています。
依頼者の希望を詰め込んだグリップの完成です。
シンプルだけどもグリップのトータルレンジ・ブレードとグリップの接続方法など特別仕様で仕上げました。接続と云うのは3ピースブランクに後付でグリップを接着固定するので感度・強度を高める方法で製作しています。
さあ!Funatsu君のスペシャルOnlyOneカスタムロッドの完成です!
3ピースのバッシンスピンFunatsu.OnlyOneCustomRod で各地域のフィールドで存分にルアーフィッシングを満喫です!
会心の一撃ーー!
早速ですが、Funatsu君がデザインしたOnlyOneカスタムロッドで、更に自身で考案したソフトルアーの手法で釣り上げた、記念に成るラージマウスバスは津久井湖で仕留めました。
色々な試行錯誤を繰り返し、チャレンジし続ける事に依って、新しい道を切り開いています。