AllStyleBass'nSpin!

何時ものバスフィッシングにちょっと冒険をしてみたいとOnlyOneカスタムロッド製作をご依頼のTajimaさんのOnlyOneページです。今回の依頼内容はYoin氏 も推奨しているバス専用スピニングロッドBass'nSpinです。

 Tajimaさんがバス専用のスピニングロッドを考え始めた切っ掛けは、ズバリ " 色々遊びたい! "と云う事でで、Tajimaさん自身はベイトロッドで大中小の様々なプラグを操りバスを仕留めているバスマンです。
 今年も色々な道具で疑問に思っていた事柄をフィールドで実践。スピニングロッドで何処まで‥どの程度まで遊べるのか、実践と構想を重ねて今回のご依頼と成りました。因みにバス専用スピニングロッドBass'nSpinはその名と通リバスに焦点を当てバスと云う魚種を仕留める為のロッドです。

Tajimaさんのお愉しみルアー

Tajimaさんが仰る『軽いプラグ用のロッド』とは、細いラインで釣る為のルアーロッドではなくて、偏った使い方でも無く使用者のアイディアなどをベイトロッドと同様に応えるロッドとしてバッシンスピンと云う選択肢を増やすと云う意味です。画像に有ります多種多様なルアーを中心に楽しめればとOnlyOneカスタムロッド・バッシンスピンの構想がスタートしました。

水面や水中(レンジは中層域くらいも)でツイッチやジャークにシェイキングアップに、あらゆる速度のタダ巻きでバスを釣り上げていくルアーと色々ありますね。又、ボトムでズル曳きやバンピング等をする類と様々です。此等を自身のアイディアで新しい手法も開発しながらバスフィッシングをトータルに味わえるロッドを決めていかれました。

Deringer Classic

選定されたのはWoodyLandオリジナルDeringer Classic。グリップ専用のカーボン製シャフトを付属しているワンピースブランクです。ベイトロッド*スピニングロッドの両ロッドを製作する事が出来るので人気が有ります。シャフト部分がグリップに成りますので長さの調整やグリップの仕様も自由自在です。

ブランクカラーはYoin氏が造ったカラーを特別にブランク塗装職人さんに調合して頂きました。

 DeringerClassicのトップ径は2.0ミリ / バット径が9.0ミリのバスロッドの基本的な外径です。ワンピースブランクの総全長はと云いますと154cmで付属されているカーボンシャフトは50cmと成り、ワンピースブランクとカーボンシャフトを無加工の長さで製作すると6ft6inch.(約1m90cm)の仕上がり寸法に成ります。

ご自身でグリップをデザインされる場合にはフルカバーされたグリップも良し、セパレートグリップも良しと思いのままです。ご依頼者Tajimaさんのグリップではカーボンシャフトをカットして製作をしていきます。

ブレード製作

 Deringer Classic は他のオリジナルブランクと同様にガイドのセッティングなどで自由に調子を出せるブランクとして造りましたので、ベースと成るブランクアクションに様々な調整方法で世界唯一の自分だけのロッドを製作していいます。Tajimaさんが希望されるバッシンスピンのガイドセッティングを、ティップの曲がり始め・負荷の逃す位置・パワーを増強する位置・補強等々を依頼者に合ったロッドを製作していきます。

 ではTajimaさんが選び出したガイドをみていきますと、フジ釣具のメインガイドとして定着しておりますシルバーフレーム・シルバーメタルリング・スピニングガイドです。

メタルリングの最大の特徴がブレーデッドの様な強いラインでの摩擦抵抗等に依る割れるなどの破損が殆ど無く安心して永く使える メタルリング・シルバーフレーム・スピニングガイド をセレクト。又、リールにスプーリングされるメインラインがブレーデッド(PEライン)とリーダーの組み合わせ・メインラインがナイロン*フロロでも絡みが少ない事から色々なロッドワークが行えると注目を集めています。

大体のスピニングガイドはシングルフットで造られており、キャスティングガイドよりもラッピングする幅を必要とします。ガイドのスレッドラッピングの幅には意味が有り、トップガイド/第一ガイドと順々に負荷が違いますので、自作される時に少し違いを見てみると良いと思いますよ。

Tajimaさんがデザインされたカラーリングは、スレッドを グデブロッド社・NCP スレッド #Light Greenカラーと決定と成りました。NCPスレッドは色止め剤のカラープリザーバを使わなくとも、透けることが無くハッキリとしたカラーが特徴です。メインスレッドが#Light Greenなのでトリムはカラーを抑えつつ引き締めを少し出す効果を狙って、同スレッドタイプの#Whiteカラーを5回ラッピングしました。

コーティングを施した状態で見ると、ガイドがギラギラせずブランクと同様に自然光で優しく見えます。


カスタムロッドを依頼される時、皆さんご自宅で或る程度の大まかなイメージを作ってきてくれます。草案のイメージカラーに近いスレッドカラーをお店で直に見てもう一度再確認でイメージカラーに近づけて最終決定をする方が多いのですが、お店で決める時が面白く楽しい時間との事で、ラッピングの手法や回数なども見本などを参考にしてワチャワチャと決めています。

元ガイドからバットへと眼を移していくと、カスタムロッドの証しと成るDeringer Classic 専用のデカールを見る事が出来ます。WoodyLandYoin氏作成のブランクイメージをデカールに移し込んだデザインです。

此方のデカールの両サイドもガイド部と同様にラッピングしていきます。使用するスレッド種類は グデブロッド社・NCPスレッドとの事でしたので全体のカラーを統一しています。此の部位や補強などは眼に入り易い事も有り、別のカラー若しくはスレッドの素材を変えるなど自由に遊べる部位でも有ります。

デカールと補強の間にはオリジナリティーを発揮するシェルデカール・Black Bass です。
此方のは海外製でロッド専用のデカールでして、曲面に貼れてコーティングがスムーズに行える様に造られているんです。カラーはブラックシェルやイエローシェルなど数色の中から#Blueを選びました。シェルデカールなので複雑な色の出方と発色が良く、海外のロッドビルダーにも人気が有ります。

既にデカールまでを見ていると云う事は…段々と完成に近付いていますね。

 ちょっと一息タイム♬

ロッド製作の手順について少し触れておきますと、ガイドの位置と補強の位置を一つの流れで同時にセッティング(マスキングテープで仮どめ)してラッピングをしていきます。仮止めした時にブランクの曲がりと補強の位置を何回か確認をしながら行って下さい。但し、スピニングはその特徴から 曲がり易い ので、程良く止めが効く位が自作される時に良いと思います。(スピニングロッドは実は難しいんですよね汗)ガイドを1ミリ動かすと全体のガイドが動く事にも成りますので、ブランクの特性を理解して進めていくと、更にスムーズに作業が行なえます。出来れば、調子の確認はリールをセットする部分を持って行うと解り易いかと思います。そうすれば、フィールドでどの様にロッドを使うかなどの細かな事も初めて作られる時に役に立ちますよ。

 さて、次は飾り巻きへと移ります。更に個性を発揮する部位。全体のカラーやバランスを考えてラッピングです。

飾り巻きはダイヤモンドラップです。見栄えも良くカスタムロッドの代名詞のラッピング手法です。
ガイド部のスレッドラッピングと同様の グデブロッド・NCPスレッド で同色を基調として色を加えていきました。
配色や色味には好みが反映されますがご依頼者の『お任せで。』の一言で マサやん も気合いを入れて色決めをしていました。

 ダイヤモンドラップはどの程度の面積をラッピングするのかに依ってダイヤモンドの数も変わります。ブランクの太さでも変わりますので、色々と試されると表情の違いが有って面白いですよ。
さて、マサやんがTajimaさん用にと決めたダイヤモンドラップの配色は、明暗を分かり易く且つ自然な色合いを表現した組み合わせと成りました。

グリップ製作

 TajimaさんのDeringerClassicのグリップは脱着式を採用して製作しました。様々なハードプラグ・ソフトルアー・ブレードベイト等々をロッドワークを活かした、バスフィッシングを楽しめる1本にと云うテーマに沿ってグリップのデザインをしています。グリップのデザインと総全長はリールをセットアップする位置を決めてから行います。

セットアップする主なスピニングリールのサイズを念頭にロッドでルアー操作を行い易くするグリップの総全長が決まります。細かな部位に用いるパーツの選定を進めています。スピニングリールシートは海外では多様なモデルが有り、操作性を重視したリールシートが数多く造られています。

 スピニングリールシートの真上部分を撮影しています。リールシートの左右に窪みがハッキリ見えますでしょうか?此の特殊なリールシートは海外製で滅多に手に入らない特別なモデル。通常のスピニング用リールシートは断面が真円なのですが此方は細かなロッドワークをする事を前提にデザインされ、Yoin氏 も必死に交渉したリールシートです。

Tajimaさんのロッド製作では2部に分けて作業をしています。一つ目はブレード(ロッド)の部分、二つ目は画像に有りますグリップの部分です。コルクを用いたナチュラルな風合いのグリップ製作では海外から取り寄せたバットキャップを接着固定しました。片手撃ちから両手撃ちを可能にした長さで完成です。

 グリップ部のデザインはシンプルに見えて要所部は拘りのスペシャル仕様です。コルクグリップも手に馴染み易く寒い時期でも温もりを感じられる様にと寒さ対策なのだそうです。グリップの総全長はシングルハンドルの長さなので、ロッドワークに丁度良い長さにしてみました。
グリップの長さを決める際にTajimaさんも、色々な角度から握って動かしてと確認をされていました。バットキャップはGoldのメタル付きの頑丈なラバー仕様でグリップエンドを仕上げています。

お任せ依頼の飾り巻きのダイヤモンドラップはお渡しするまでの間は、どの様にラッピングしているなかサプライズ!と云う事で報せていなかったのですがとても喜んで戴きました。ガイドスレッドカラーを基調としてカラーを2色追加してのラッピングは、バス専用Bassin' Spinらしく仕上げられました。リールをセットアップする楽しみやルアーを操作するロッドワークが楽しみですね。

今回の【Only One】は如何でしたでしょうか。
カスタムロッド一本を仕立てる時にフィールドを想像しながら、決めていく過程をTajimaさんのDeringer Classic を通して共有が出来たらと思いました。
 Tajimaさんには今回のページを作成する許可を戴きまして、感謝しております。
有難う御座いました。
フジ釣具